心が追いつめられてしまう前に、きちんと知りたい強迫性障害のこと

精神療法

精神疾患に対しては、しばしば「精神療法」という手段がとられることがあります。
現代医学と薬学がコラボした薬物療法が効かなかった場合や、薬よりもこっちのほうが効果的だということがわかった場合などに、行われるものです。
簡単に言えば、精神療法とは、その人の心に直接働きかけることによって症状を改善に向かわせるというものです。強迫性障害の場合にも、思い込みを解き、くり返し出てくる行為への欲求を抑える働きをもっています。

「曝露反応妨害法」という名のついた精神療法が、強迫性障害の場合には用いられることが多いようです。字面だけ見ると何だか物騒な雰囲気さえ漂ってくる名前ですが、多少過激なことはたしかですが、危険なものではありません。
この方法は、その人が悩んでいる症状が露わになるような状況に、あえてその人を立たせて刺激を与えるという方法です。
強迫観念にとらわれやすい状況に身を置くのです。その上で、行動に向かいそうになる心を制御することが出来るように訓練するのです。
もともと、強迫性障害の人は、常識や倫理観を失ってしまったわけではなく、自分が思い込んでいるのに過ぎないこと、繰り返す行為が無駄であることは半ば理解しているものなのです。
その「理解」に賭けるのが、曝露反応妨害法という方法であると言えるでしょう。そういう状況に陥ったとき、やるべきことは何かということを、その人自身が見出すこと。
強迫観念に屈しないようにすること。
それが可能になったとき、その人の心を覆っていた「強迫」の氷は溶解するのです。

精神療法にはさまざまな種類のものがあり、言葉を換えるなら「矯正」と表現することも出来るであろう曝露反応妨害法の他にも、例えば「森田療法」というものがあります。
名前を見ればわかるように、日本の医学者である森田氏(森田正馬)によって考案された方法です。その人の心のあり方を、あえて矯正することなく、思うがままにやらせるということを基本にしています。