心が追いつめられてしまう前に、きちんと知りたい強迫性障害のこと

看護師

原因について

強迫性障害は、精神疾患のひとつ。このように書くと、すべてはその人の心が引き起こしたことだと思われがちです。
精神とは心のことだと、ちょっと曖昧に考えている人も多いでしょう。確かに、そういったことがまったく言えないわけではありませんが、完璧な答えではないことは確かです。
なぜなら、強迫性障害とは、言わば「脳の病気」であるからです。

強迫性障害を引き起こす原因として、その人の心理的な問題、つまりもともとの性格とか受けるストレスなどが挙げられないわけではありません。周囲の環境が原因となると考えられることもあります。
ただ、そういった原因よりもむしろ、脳という器官のいくつかの部位に異常が発生し、それが原因となるというパターンが多いのです。
例えば、「大脳基底核」という部位が脳には存在しています。脳の底部にあり、人の感情、認識、学習、行動にあたっての理由付けをつかさどっています。
通常の場合は、大脳基底核が一度目で見て、手で触れて確認したものを認識し、学習します。外出の家の鍵を例に取るなら、「鍵をかける」ということを認識して、それについては「完了」と判断します。
ここに異常が発生すると、「鍵をかける」ということをいったんは認識しても、それを学習することが出来ません。感情や認識がゆらぎ、再び「鍵をかける」という行動に走ってしまうわけです。

現在では、上のような脳という器官の異常から強迫性障害が発生するのだというメカニズムはハッキリと解明されています。
「度を越した神経質だ」などといった、その人の性格を問題にする発言はナンセンスであることが分かります。
実際、確かに多少几帳面すぎるくらいの性格の人には、強迫性障害にかかりやすいという特徴がありますが、「かかりやすい」というだけで、誰もがそうなるわけではありません。
逆に、それまではどちらかと言えば物事に無頓着な性格をしていた人が、強迫性障害になってしまうというパターンもあるのです。