心が追いつめられてしまう前に、きちんと知りたい強迫性障害のこと

強迫性障害とは?

例えば何かの用事で家を出て、バス停まで歩いている途中、ふと「鍵かけたっけ?」というような些細なことが気にかかる。そんなことがあると思います。
時には、バス停の標識がそろそろ見え始めるところまで歩いてきたというのに、鍵のことが気になってしょうがなくなり、引き返してしまうということもあるでしょう。
まったく、珍しくない話です。誰だって、そんな経験をしているのです。
鍵のことにとどまらず、何かに触れたあとで「バイ菌か何かついていなかっただろうな」と気になったり、手を洗ったあとで、「ちゃんと汚れは落ちたんだろうか」ということが気になったりすることもあります。

強迫性障害は、私たちがこれまでの人生の中で一度や二度は必ずと言っていいほど経験しているであろう上のようなシチュエーションを、毎日、毎時間くり返してしまうという病気のことです。
家を出る前に何度も何度も、戸締まりやガスの元栓の確認をしてしまうとか、いったん手を洗いだしたら止まらなくなってしまうとか。
「どこかに、不完全な部分があるかも知れない」そんな思いにとらわれてしまい、やがてはその思いが強烈に心を圧迫し、ほかのことには一切手がつかなくなってしまうという症状を示します。

日本では、成人男女の50人に1人、この病気を発症してしまうと言われています。

治療の方法を知る

強迫性障害は若いうちに発症して、自然消滅することはなく、強まったり弱まったりしながら長い人生の中で何度も発症します。
ただし、治療のために何もしなかったら、です。言い換えれば、治療しさえすれば、強迫性障害は克服することが可能な病気でもあります。昨日までの悩みが嘘のように、心がスッキリとする瞬間がくるというわけです。
昔ながらの薬物療法や精神療法といった方法がある他、最近では「磁気刺激療法」などといった新しい治療方法も発見されています。

強迫性障害は、脳内の神経系に異常が発生することによって起きる精神疾患で、病院では精神科や神経科といったところで診てもらうことが出来ます。
気をつけるべきなのは、行く「科」を間違えないことです。
「精神」とか「神経」とかいった言葉が入る医科にはさまざまな種類のものがあり、例えば「神経科」と「神経内科」といったややこしい種類分けがなされています。
神経科は強迫性障害の治療を行いますが、神経内科は対象外となっています。
神経内科というところは、脳や神経系の異常によって身体的症状が生じる脳卒中などの病気を対象としています。心に症状が生じる強迫性障害の場合には、神経科がその診断と治療を担当しているのです。

強迫性障害を治療対象としているか、どんな治療方法をとっているか。そういったことを事前に調べて行くようにすると、スムーズに治療に専念することが出来るでしょう。